「ソフティモ」ってほぼほぼ伊野尾くんじゃん。

自分用メモ カラフト感想ツイまとめ

4月25日 初演 

 4月26日 一部

 4月29日 二部

 5月2日 一部

 5月3日 二部

5月6日 二部 

 

 

 5月10日 

 東京楽後

 

そしてカラフトロス

 

 

 

 

 

 

カラフト伯父さんで見たもの。

※ネタバレです

見たことを言葉にしておきたかった。網膜に焼き付けたことを何一つ忘れたくない、と思った。 記憶に留めておくための、試みとしての、言語化。



電気の消えた暗い鉄工所に、間の抜けたような明るいラジオの声が響いている。

「もうかりまっか山村くん、どんどんどんどんぱふぱふ~」10年前のヒット曲をお届けするそのラジオにリスナーから届いたお便り、10年前デートで行った”クラッシックコンサート”で隣に座った彼氏が、指揮者がタクトを振り上げた瞬間、大音量で「だよねー、だよねー」って、他人のふりをしたけれど後の祭り、それからずっと針のむしろでした、それが今の旦那です。というどこにでもあるような思い出話とリクエスト曲が読み上げられる。

「なんやそれ。どんどんどんどんぱふぱふ~。それでは本日のリクエスト曲、だよね。劇場では電源は切りましょう。だよね。」

ラジオから流れるEAST&YURIの「DAYONE」とともに、バンッという車のドアを開ける音。ガラガラと奥の引き戸を開き、一人の青年が入って来る。右の引き戸、左の引き戸をゆっくりとあけて、それからもう一度車に乗り込み、車を建物の中に入れる。その動きは緩慢でかつ乱暴だ。

車を降りる。再び左の引き戸、右の引き戸と閉める。車の助手席からビニル袋を取り出すとソファの上に投げ出す。ラジオを切り、それから部屋の電気をつける。パチン。明るくなる部屋。無人のその部屋を、青年はずっと無言で見つめる。間。

寒そうに手をこすりながら部屋に置かれたストーブをつけようとするが、石油がもうないのだろうか、点かない。カチンッカチンッと何度か繰り返した後、がしっと抱きしめ優しくストーブを撫ぜまわし、そっと油断させながらもう一度カチン。やはりつかない。ストーブを蹴飛ばす青年。

ソファにドカッと座りもたれかかって天を見上げる。薄汚れた作業着に、茶色いニット帽、首には白いタオルを巻いている。ガサガサと袋のなかをあさり、買ってきたお菓子とコーラを机の上に出していく。チョコレートの包みを破って口でくわえながら、カップラーメンを取り出し、流し台へ立つ。

ラーメンを作っている青年の背後でそっと勝手口の扉が開く。一人の男か抜き足差し足で入って来る。が、すぐにバケツを倒す。けたたましい音に驚きあわてて駆け寄る青年。男と目が合う。

「よっ!ひさしぶりだな!元気にしてたのか!」



ここまで、5分なのか10分なのか、もっと短いのか、いつも永遠のように長く感じてしまう。舞台の上には伊野尾くんしかいなくて、伊野尾くんが言葉を発さずに動く、その動きを、全員が固唾を飲んで見守る。 あの場所、あの空間、あの時間、忘れたくないと強く思う。


素敵な舞台をありがとうございました。ひとまずは、お疲れ様。


カラフト伯父さん 初日

【ネタバレです】



4月25日。爽やかな晴れた陽気の中で、伊野尾くんの舞台、カラフト伯父さんが幕を開けた。

パンフレット未読、双眼鏡もなしで、できるだけ先入観なくフラットに、そして部分ではなく全体を見られるようにしたいと思って観劇した。伊野尾くんが初主演する初舞台を作品としてきちんと鑑賞したいと思っていて、できればその瞬間だけ、伊野尾くんのファンじゃなくていち鑑賞者になりたい、とすら思っていた。

もちろん結局そんなことはできなくて、初演を見終わった私の中に今ある感情は、伊野尾くんという大好きな人の初舞台の初主演という感想と、「カラフト伯父さん」というひとつの作品を身終えた感想が、ごっちゃごちゃのぐっちゃぐちゃになったもので、本当はもう少し整理をして言葉にしたいけど、でも二回目の観劇をする前に、どうしても今の気持ちを吐き出しておきたくて、そのまま書き殴っている。

さて、冒頭トラックを運転しながら出てきた伊野尾くんは、暫く台詞なく無言で室内を動き回るが、その動きや仕草の乱暴さ、ドアの閉め方、椅子の座り方、冷蔵庫の開け方、そんな一挙手一投足からもう、そこにいるのが伊野尾くんではなく徹なんだとわかる。

劇の前半、徹はただただ苛立ちを露わにするだけで、見ている私は徹の苛立ちがわからなくて、そんなに怒ることか?っていう父親の戸惑いは私の戸惑いでもあった。

それが徹が初めて気持ちを爆発させて想いを吐露するあの瞬間、一瞬にして、徹の側に引き寄せられる。

鄭さんはパンフレットにおいてこの劇について「記録としての演劇」と言っていて、そこでの要である、地震の瞬間の体験やそれを経験した人がその後ずっと抱えてきた傷といったものは、全て伊野尾くんが演じる徹の言葉によって語られる、徹が発するその叫びが、その時の臨場感に溢れていて、祈るように叫ぶ「カラフト伯父さん!カラフト伯父さん!」という言葉に、瓦礫の中で、その後トラックの中で叫んでいる徹の姿がオーバーラップして、私はあの瞬間に、10年前の徹の姿、そして10年間という歳月を確かに見た、と思った。すごい演技だった。演者の言葉と身振りだけで、堆積した時間の厚みを見る者に感じさせる、迫力ある演技だった。

劇からは、阪神大震災という経験の「記録としての演劇」が、阪神大震災から20年が経った現在、そして東日本大震災を経た現在の私たちに対して持ちうるリアリティというものについて考えた、と同時に親が子供を思うといった家族の話しでもあった。升さんがパンフレットで言っていたのだけど升さんの演じる吾郎さんは決して人でなしの人物などではなくて、ごく普通の、ちょっとうまくいってない人で、徹もまたごく普通の男の子で、そのごく普通のごく普通の親子の間に決定的な溝をもたらしたのは地震という外的な出来事なんだなって思ったりした。

カーテンコールでは、スタンディング・オベーションがおきて、伊野尾くんがお辞儀をするとひときわ大きな拍手がおきて、伊野尾くんは晴れやかな笑顔だったけど、全然いつもの伊野尾くんで、ああ伊野尾くんだ〜って思った。いままで徹を見てて、ここで初めて伊野尾くんを見たんだな〜って。

初舞台、初主演、初日お疲れさまでした。舞台に立つ伊野尾くんは大きくて、すごくすごくすごくかっこよかったです。素敵な舞台をありがとうございました。

職場の後輩有岡くん

 

「職場の後輩有岡くん」が私の中でアツい。単純で人懐っこくて、やる気がないのかなって思うと意外に仕事に熱心で、怒られたらすぐへこむし褒められたら顔をくしゃくしゃにして笑うかわいいやつだ。

 

 

そんな後輩有岡くんを日々の殺伐としたオフィスライフのなかに見出して心のオアシスとしていたところ、あるとき一通のaskが届いた。

ask.fm

なに?!後輩有岡くんとデート!うらやましい。と思っていたらすぐにもう一通のaskが届いた。

ask.fm

なんと。有岡くんとうきうきデートに行く人がいる裏で、有岡先輩に恋をしている女子がひとり涙に暮れていたのだ。こうして私のエア恋愛相談という遊びが始まった。驚くべきことにその後askには職場の有岡くんに想いを寄せる多くの働く女子たちから恋愛相談が寄せられた。入社したばかりの女子は有岡先輩に憧れ、先輩女子たちは頼りない有岡くんをかわいいやつだなと思ったり、そんな有岡くんが見せる違う一面にどきっとしていた。とりあえず一つにまとめておきます。以下です。

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エア恋愛相談は楽しい。時に厳しく、時に優しく恋するワーキング乙女たちに言葉をかけ、私はすっかり社内のお局である。私だって有岡くんとのドキドキを楽しみたいのにみんなの相談ばっかりよ!!(煎茶をすすりながら)しかし驚くべきはそこに差し挟まれるエピソードの具体性である。タクシー代を払ってくれる有岡くん。新人研修で先輩ぶって優しく声をかける有岡くん。たぶん、後輩有岡くんは会社で働く全女子の心の中にいるんだろう。今日も有岡くんはコピー機の前で上司に頼まれたコピーをしたり、自販機の前で缶コーヒー片手に同期とおしゃべりしたり、終わらない残業に頭をかきながらパソコンに向かったりしてることでしょう。なんて夢があるんだろう。現代におけるおとぎ話のレベル。そしてこれだけ需要があるのだからドラマ業界はいますぐ有岡くんに愛される職場の後輩的役柄を割り当てるべきだと思います!!!!!

いのおくんとファン。



みんななに書いて欲しい? はやめに教えてください!(いのお作文、2015.4.7)

こうやって君にメールするのも何回目だろう?何度メールを送っても返事が来ないなぁ。(『ウィークエンダー/明日へのYELL』発売時のメール、2014.9.7)

伊野尾くんはしばしば私たちファンに返事を催促するという無理難題を課してくる。

とはいえ、伊野尾くんは、そこで確かな繋がりや返事をもらうことを真剣に欲しているわけではないようだ。

伊野尾くんの言葉は、私たちはいつもアイドルという言ってみれば虚像を追いかけているけれど、アイドルもまた顔の見えない、匿名の不特定多数の「きみ」に向かって延々とメッセージを送り続けなくてはいけないんだなということを突きつけてきて、ある意味はっとさせられる。

それは、もしかしたらアイドルとしては、弱み、と言われるところなのかもしれない。アイドルというのは、必ずあるその「距離」をあたかもないかのように見せる、語りかける、そうゆう術に長けているように思うからだ。

でも、私は伊野尾くんに関して、それを伊野尾くんが克服すべき弱みとも思わなくて、そうゆう本来あるけどなんとなくないことにされている、そうゆう「距離」というものに敏感な、伊野尾くんの持っている鋭敏な感覚がとても素敵だなと思う。別に伊野尾くんはそれを悲観しているわけでもないようで、ただ事実としてそのことを淡々と、フラットに受け止めてるようでもあって、それはアイドルとファンというだけでなく、伊野尾くんの対人関係のフラットな感覚にもつながる。

結局結論はいつも変わらないのだけれど、私は伊野尾くんのそうゆうところがたまらなく好きだ。

もしHey!Say!JUMPがオムニバスドラマをやったら。

TwitterでみたJUMPちゃんオムニバスドラマ妄想に触発されて書き殴った。(完結しました!)

とある街のとある喫茶店。都会でもなく田舎でもないその街の、駅から程近い場所にあるその店は、カフェというほど小洒落てもなく、かといってチェーン店ほど雑然としてなく、そのちょうどいい雰囲気が居心地がよいようで、サラリーマンから学生までいつもさまざまな客が訪れていた。名物は先代のオーナー(竹中直人)直伝の美味しい珈琲。

ー今日も、一杯の珈琲と一つの物語がこの店にやってくる。ー

〜珈琲を淹れる薮くんの映像とともにオープニング〜

第一話 中島裕翔の場合
あらすじ
保険会社に入社して3年目の裕翔くんが、自分のできることとできないこと、思い描いていた理想や未来と現実との間で悩みながらも、仕事を通して自分と向き合い成長する等身大の姿を描く。

冒頭
保険会社で働く裕翔は珈琲をひとくち啜ると大きな溜息をついた。あまりに溜息が大きかったので伝票を置きにきた店員(薮)がちょっと驚いたように一瞬眉を上げたが、慣れているのかすぐ何事もなかったかのように戻って行った。裕翔は少し苛々していた。後ろの席に座ったカップルが何が楽しいのか馬鹿みたいに笑ってるのも耳障りだ。いい歳してパフェなんか頼むなよ。昨日、岡田先輩に言われた言葉が頭から離れない。入社して3年、仕事にも慣れてきた。上手いことやれてると思っていた。でも、自分がやりたいことってなんだったのか。

第二話 髙木雄也の場合
あらすじ
ホストクラブで働く雄也が、ある日喫茶店に来る途中でちょっと風変わりでおしゃべりで人懐っこいお婆さんと偶然出会い、お婆さんに調子を狂わされつつも、次第に心を通わせていく。一見近寄りがたいホスト雄也の心優しい一面にときめくハートフルストーリー。

冒頭
雄也はこの街から電車で3駅先にある繁華街のホストクラブで働いている。出勤前の夕方、いつもこの店で一杯の珈琲を飲むことにしている。雄也は自分の生活が好きだった。ホストクラブではNo.1ではないけれどそこそこ固定客も着いているしオーナーからの信頼も厚い。キャバ嬢のあけみちゃんとOLの加奈と不倫中の人妻景子さんとのコンスタントな肉体関係も良好だ。何の問題もない。休日は愛車に乗って海へドライブする。好きな音楽をかけながら。昼前にベッドを出て、シャワーを浴びて、トーストに野菜ジュースの簡単な食事。完璧だ。予想外の出会いやアクシデントは必要ない、そう思っていた、あの日までは。

第三話 有岡大貴の場合
あらすじ
突然付き合っていた彼女から別れを告げられたフリーターの大貴。フられてどん底まで凹むけど、友達とサッカーして焼肉くってたらまあいっかってすぐに楽しくなっちゃって、でも最終的に「私にはやっぱり大ちゃんしかいない」って言われて、なんとなく釈然としないし、女の子の気持ちとか全然わかんないけど、やっぱりまあいっかって、「俺も!大好き!」って笑顔で伝える、なんてことない男の子の日常を描いたドラマ。

冒頭
「ねぇ私たちもう別れよ?」俺は頭が真っ白になった。なんでだ。さっきまで、ほんの2時間前まで、らぶらぶだったじゃないか。待ち合わせして(ちょっと遅れちゃったけど)ゲーセン行って、UFOキャッチャーで彼女が欲しがってたジバニャンをとってあげてもちろん彼女は喜んでたし、そのあとちょっと疲れちゃったからって喫茶店に入ってパフェを食べて…「あっもしかしてパフェの苺を俺が食べちゃったから?まじでごめん!」彼女はふるふると首を振って言った。「前から思ってたの。私と大ちゃんはなんか合わないみたい。」意味がわからない。なんでだよ!!!

第四話 山田涼介の場合
あらすじ
顔面はイケメンなのになぜだか女の子にモテない山田くんが、彼女をつくる!運命の人を探すんだ!と意気込んで合コンに挑み、そこで出会った年上の女性に猛アタックするラブコメディ。

冒頭
「俺、オレンジジュース」「ジンジャーエールで」「コーラお願いします」口から出かけた「珈琲を頼め珈琲を」という言葉をぐっと抑えながら店員はニッコリ笑って注文をとる。三人組(山田、知念、岡本)は大学の同級生のようで、暇を持て余した大学生らしく午後の早い時間からやってきては各々会話もせずに携帯をいじったり、試験前だと言ってやばいやばいと連呼しながらやる気があるんだかないんだか申し訳程度に参考書を開いたりしては長居をしていた。

「あ〜〜彼女欲しーーっ」「山ちゃんそればっかりじゃん」「や、だって重要よ?俺の運命の人はどこー!?」「運命の人って古くない?」「まあまあ、出会いが欲しいってこと!それでね、俺考えた」「何を?」「合コンをしようと思います!!やっぱさ、出会うには合コンが早いって、って知念聞いてる?」「…あ、ごめん聞いてなかった」「なんだよ!聞けよ!」
なんだか上の空の知念はおいておいて、俺は圭人に段取りを説明した。決戦は来週の金曜日、年上の女性が集まる合コンであること、年上の女性にモテるためにはやっぱり株の話の一つや二つできたほうがいいだろうということで「はじめての株式入門」という本を昨日から読み始めたこと。ともかく何が何でもそこで運命の彼女を見つけて、あわよくば「お持ち帰り」してやるんだ!「どうしたの?山ちゃん、顔がにやけてるよ」「うっせ。ともかく圭人も協力頼むよ!な!」

第五話 知念侑李の場合
あらすじ
霊感が強い知念少年が喫茶店で関西弁のうさんくさい幽霊に出会い、いやいやながらも幽霊が成仏するために現世に残してしまった後悔を解決すべく、一緒に協力してあげるファンタジーコメディ。

「…って知念聞いてる?」「…あ、ごめん聞いてなかった」「なんだよ!聞けよ!」「ちーちゃん様子変じゃない?大丈夫?体調わるい?」
ああ、大丈夫と空返事をしながら、知念は目を泳がせた。整理しよう。この席にいるのは誰だ?僕と山ちゃんと圭人。3人。そうだよな。じゃぁあの四人目は誰だ?山ちゃんの隣に座っているあの男は誰なんだ。男は懐っこいニコニコした笑顔を知念に向けて、いたずらっぽくニヤっとすると手をひらひらと振った。まただ。また見てしまった。知念はがっくりと肩を落とした。小さい頃から人より霊感が強かったけど得をしたことなんて一度もない。面倒なことばっかりだ。
「じゃぁ俺ら先行くからね」2人が先に店を出ると知念は男と向かいあった。「山ちゃんの合コンうまくいくとええなあ?」「いや、どなたですか?」「あっ俺?俺は大倉。幽霊や!下の名前はただよしやからたっちょんて呼んでな!」「いやいやいや、幽霊やっておかしいでしょ?」「ゆーり!お前を男と見込んで頼みがある!」ほらね、やっぱり面倒なことばっかりだ。

第六話 岡本圭人の場合
あらすじ
ツイてない男、岡本圭人が引き起こす、史上最高にツイてない一日の話。一日の最後には最高にツイてる出来事が待っているのだが、それは終わり良ければすべて良しなのか、はたまた次のツイてない出来事への伏線なのか。

冒頭
ガシャン!と音をたててコップが倒れた。「あっすいません」「…洋服濡れちゃったんだけど」「すいませんすいません」店員がすぐにタオルを持って駆け寄ってきて拭いてくれたので、圭人は振り向いてぺこぺこと誤りながら店を出た。「なにやってんだよ!あの人絶対ホストだぜ、怖い人たち出てきたらどうすんだよ」「ごめん山ちゃん、どうしよう」「知らないよ。ったくお前ほんとそうゆうとこあるよ」「うん…」

岡本圭人はツイてない男だった。小学校の入学式も卒業式も、中学校の入学式も卒業式も、高校の入学式も雨だった。高校の卒業式には季節外れのドカ雪が降った。リレーの選手に選ばれた中学校の運動会は、前日に自転車とぶつかって骨折。福引きではいつもポケットティッシュ。今年の正月に引いたおみくじには見覚えのありすぎる「凶」の文字。この歳まで生きていればツイてない人生にも慣れてくるというもので、ちょっとやそっとのツイてなさくらいでは逆にびくともしないという心持ちにすらなってくる。
しかし、それにしてもだ。それにしても今日はひどいんじゃないか。朝は目覚まし時計が壊れていた。よく壊れるので3つ用意しているのにその全てが、だ。走っていると道を迷った外国人とお婆さんに声をかけられる。電車は遅延。当然のようにバイトには遅刻し、店長にこっぴどく叱られた。大学でしょんぼりしているところを友人の山田と知念に誘われて来たいつもの喫茶店ではうっかり水を零してしまった、ホストみたいな人に。きっとあのひとは怖いホストでこれから仲間がたくさんきておどされたり殴られたりするかもしれない、と思いつくなかで最低のケースを想定して、圭人はこれからくるツイてない出来事に心の準備をした。しかし、ツイてない出来事とはいつも全く想定していない角度からやってくるものであり、圭人はまだこれが今日という日の序章にすぎない。ということを知らなかった。

第七話 伊野尾慧の場合
あらすじ
文学部の大学院生である伊野尾は、喫茶店の窓際の席でいつもひとり読書をしていた。伊野尾くんが図書館でたまに顔を合わせる名前も知らない女性に恋をして、本を介して少しずつ仲を深めていく、ほのかで淡い恋心を描いたラブストーリー。
 
冒頭
本の虫、とよく言われる。自分でもそうだと思う。物ごころついた時から本が好きだった。地元の図書館にある児童書は全て読んでしまったし、図鑑、辞書、家にある通信販売のカタログにいたるまで夢中になって読みふけった。好きな本について研究したいと、文学部に進み、大学院で研究を続けている。文学の世界は興味深く、また自分のペースで続けられる研究生活というものも彼には合っていたようで、それなりに有意義で充実した生活だ。それでも何か論文の材料を見つけるために、何かの目的を持って読むのではない、ただただ本の世界に浸るだけの読書を求めて、近くにある図書館で手に取った本を借りてきては、いつもこの喫茶店で読書にふけっていた。何の変哲もない喫茶店なのだが、それが逆に気取っていなくて感じがいいし、適度に騒がしい店内の声も読書に集中するには適している、と彼は思っていた。なにより珈琲が美味い。
今日、彼は少し興奮していた。半年くらい前から図書館で顔を合わせるようになり、なんとなくお互いを認識するようになり、次第に会釈をするようになり、会うと短い挨拶を交わすようになった。そして、今日はついに、名前を聞いた。噛み締めるように心の中でその名前を唱えてみる。自分はいったい彼女の何に惹かれているのか、と考える。いつもひとつにぴしりと結わかれた黒い髪、耳についた星の飾りのピアス、白い肌、俯くと影を落とす長い睫毛。とりわけ好きなのは本を触る彼女の手だ。丁寧に優しく十分に注意して棚から本を取り出す彼女の手つきはいっそ官能的ですらある、と彼は思った。
「ガシャン」というけたたましい音ではっと我に返る。見回すとさっきまで隣のテーブルにいた大学生が、狭い店内を通る時に他の客の水を倒したようだった。開いた本に目をやると、ほとんど読み進んでいないことに気づく。「思春期の男子高校生でもあるまいし」とひとりごちて苦笑した。そうだ、この本が読み終わったら、今度は思い切ってこの喫茶店に誘ってみよう。とびきりうまい珈琲があるから、と。それはとてもいい考えに思えたので満足げにうなづくと、彼は目を落とし再び本の中の世界へと戻った。

第八話 八乙女光(と薮宏太)の場合
あらすじ
臨時休業日の喫茶店。いつもとは違う静かな店内で、自分で淹れた珈琲をゆっくりと飲んでいる薮のもとに、いつも食材を配達してくる光がやってくる。珈琲を飲みながら話す二人のお話。


冒頭
珈琲を淹れていると勝手口がカランカランと開いた音がした。「ちわーっす。あれ?やすみ?」「前から言ってただろ」「冗談だよ、覚えてるって。あ、俺にも珈琲淹れてよ」返事をするよりも前に光はするりと細い身体を滑らせるようにカウンターに座っていた。猫が嫌いなくせに猫みたいなやつだ、と俺は思う。「バイトとか入れれば?若い女の子とか」「そんな余裕ねぇよ」もう見飽きたであろうメニューをぺらんぺらんとめくりながら光が言う。「なんかさぁ古いんだよね。パフェとか、今時頼むやついんの?」「こないだカップルが頼んでたよ」「かーっ来る客も古いんだな」相変わらず光は口が悪い。「やっぱさ、なんつうんだっけ、フレンチトースト?みたいなの、やったら?駅の向こうの店、あれ始めてからすんげえ行列だぜ?」「いいんだよ、行列なんてできなくて。喫茶店は、お洒落じゃなくていい、気取らない方がいいんだ…」「…ただ珈琲さえ美味しければ、だろ?先代の口癖。」そうだ、光は俺よりもずっと前から知っているのだ、先代のことも、そしてこの店のことも。子供の頃に両親が離婚した光は、仕事で帰りの遅い母親の帰りをよくこの店で待っていた、と以前聞いたことがあった。自分のことをあまり話したがらない光のことだし、それ以上はこちらからも聞かなかったのだが。俺が淹れた珈琲をゆっくりと飲むと光はこちらを見てニヤリとした。「だいぶ上手くなったじゃん、淹れるの」「これでも人気の味なんだけどね」まったく、叶わないな、と思う。俺は、いつもより少し緊張しながら淹れた三杯目の珈琲を、光の隣の空いた席にそっと置いた。
 
〜fin.〜
 
あとがき
妄想という妄想を総動員したオムニバスドラマ、完全なる自己満足だけど楽しかった!ぜひ、いつか、ほんとうにJUMPちゃんたちのオムニバスドラマが実現しますように!


伊野尾くんが舞台に初主演する。

こんなに嬉しいことってあるか。

 

私の!自担の!Hey!Say!JUMPの伊野尾慧くんが、舞台「カラフト伯父さん」の主演を果たすことが決定いたしました!!!!!!

もう何度でも言いたい。

私の!自担の!Hey!Say!JUMPの伊野尾慧くんが、舞台「カラフト伯父さん」の主演を果たすことが決定いたしました!!!!!!

ちょっと2015年明けてまだ8日しか経ってないとは俄かに信じがたいくらいめまぐるしい2日間が過ぎた。え、地球まだ8回しか回ってないの??嘘だね。私の中ではもうぐるんぐるん高速回転キメてるんだけど。地球まわりすぎ。

 

昨日1月7日早朝、仕事に出かける支度をいそいそとツイッターを覗いた私の下に飛び込んできたのが「おしゃれヘアカタログ単独表紙」の一報だった。なんじゃそりゃ。「単独表紙」。もうそれだって飛び上がりたいくらいうれしくって、実際ほとんどスキップしながら出勤した。伊野尾くんの2015年明るすぎるだろう。晴れ晴れしく幕を開けるにもほどがあるだろう。私の中で伊野尾くんの時代の到来を告げるファンファーレが高らかに鳴り響き、街中の人々はみな花吹雪をまき散らしながら踊り歩いていた。

実はこの一報を聞いた昨日の私は、伊野尾くんの2015年の大快進撃を確信し、それを全て丁寧に記録をしなければ、という使命感のもとで、はてなぶろぐに「伊野尾くんの2015年」という記事を作成し、「1月7日 おしゃれヘアカタログ単独表紙が決定する」って打ち込んで、そっと「下書きを保存する」をクリックした。これから来る伊野尾くんの活躍をひとつのこらず打ち込んでいって、12月31日それを眺めて幸せな一年だったって振り返るんだって思ってた。

まさかその1日後「1月8日 舞台初主演が決定する」って打ち込むことになるとはさすがにその時の私も思ってなかった。

私の想定をはるかに超えてくる伊野尾くんが、ありえないほどかっこいい。

今日は仕事が忙しかった。ばたばたしていた。朝ちょっと嫌なことがあって、暗い気持ちで家をでた。心ががさがさしていた。いつもよりも少し遅くなったランチタイム、携帯を開くと1通のメールが届いていた。

「Hey!Say!JUMPメール伝言板

昨日の「おしゃれヘアカタログ」のことかしら、それとも裕翔くんの月9のなにかかしら、そんな気持ちでメールを開いた。

「伊野尾慧出演 舞台「カラフト伯父さん」決定!」

いや待ってくれ。決定!じゃないから。そんな突然に軽い調子で言われても困る。ちょっと待ってくれお願いだから待ってくれ。少し理解する時間をくれ。これはいったいどう意味だ。

私は頭からもう一度その文字を呼んだ。伊野尾慧、うん、知ってる。出演?舞台?カラフト伯父さん???決定??????えっ、これって伊野尾くんが、「カラフト伯父さん」っていうタイトルの舞台に出演するっていうこと?もしかしてそうゆうことが書いてあるの???えーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

 

嬉しい。

 

嬉しいと楽しみしかない。

 

「カラフト伯父さん」とは、震災を描いた物語であるらしい。2005年に岡田義徳さん主演で上演されており、神戸を舞台に、阪神大震災で心に深い傷を負った3人が希望を取り戻すまでを心温まる筆致で描いた物語だという。私は伊野尾くんのことを何も知らないけど、私が想像するにそれは伊野尾くんがこれまでやってきたこととそしてこれからやりたいと思っていることのまさに交差点のような仕事なのではないか、と思った。そうゆう仕事が降ってきたのほんとうによかったねって思うし、それは伊野尾くんが取ってきたものだから、伊野尾くん本当にかっこいい。2005年にやった公演の情報を見る限り、「涙と笑い、 エロス、残酷あり、スピーディーな場面処理あり」「意思の疎通のズレが大きな波紋に広がる怖さ、身勝手さの悲しさ三者三様のダメ人間ぶりにはごく普通の人間像でもある」といった劇評から、演劇としてもすごく面白そうな、私が好きそうな予感がぷんぷんしている。

もうあまりに嬉しいから記事とかリンク貼るよ。

Hey!Say!JUMP伊野尾慧、主演舞台『カラフト伯父さん』4月上演決定 - エンタメ - ニュース - クランクイン!

ちなみに2005年の公演に関するページはこちらみたいです。トムプロジェクト

 

嗚呼ほんとうに伊野尾くんを好きになってよかった。100ぱーせんとの自信を持って、宇宙で一番幸せだ!!!って叫びたい気分だ。馬鹿みたいに叫んで飛び回りたい。ぴょんぴょんじゃんぷしながら帰りたい。

初めてのお芝居で、初めての主演で、きっとすごく大変だと思う。私なんかが想像できないくらい、とても大変なことだと思う。すごく苦労すると思う。でも伊野尾くんはきっとすごく立派に、不器用であってもしなやかに、やってのけるんだろうなって思ってる。そしてぜったい伊野尾くんの人生の中に残る大きな経験だってわかるから、それを今一緒に目撃できる有難さに涙する。去年伊野尾くんを見つけた自分を褒めたい。

いったいこれからどんな伊野尾くんを見せてくれるのか楽しみで楽しみでたまらない。未来が楽しみで堪らない人を好きになったことがすっごく誇らしいし世界中に自慢してまわりたい!!!!

 

伊野尾くん、舞台主演おめでとうございます!!!!!

すっごく楽しみです!!!!!!