「ソフティモ」ってほぼほぼ伊野尾くんじゃん。

大阪は雨だった。

※これはレポートなどでは全くなくて、ただただ自分の気持ち悪い感情を吐露するだけの文章です。ただし話の流れ上セトリなど一部ネタバレを含みますのでご注意ください。




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伊野尾くんをみていると、ときどき会場中の歓声が、音楽が、不思議なくらいすーっと消えて、伊野尾くんの動きがスローモーションになっていく瞬間があって。人が恋に落ちる瞬間ほんとに時間は止まるんだなってビッグ・フィッシュ的なことを頭の隅で考えたりしながら、私は、今までペンライトを振っていた右腕もだらりと下げ、口をぽかんとあけながら息をすることも忘れて、その白い肌を、黒い髪を、ただただ凝視するしかなかった。ステージで舞い踊る伊野尾くんは、本当に白くてつややかで美しく細くて薄くてエロくて可愛くて、どうしたって視線をそらすことなどできなかった。


 


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8月2日、しとしとと雨が降る蒸し風呂のような暑い大阪でHey!Say!JUMPの全国ツアー「smart」がスタートした。私は2日の2部に入ってきたよ!


 


私にとっては2回目のJUMPコンで、 初めて自力で取ったチケットで、初めての遠征で、しかも1人での参加だった。日常生活においてだいたいのことはお一人様で行動しがちな自分の性格がジャニヲタライフにおいて役立ち、こんなフットワークの軽さを発揮するとは思いもかけなかった。それにしても伊野尾くんに堕ちてからヲタクの階段を駆け上がる、いや駆け落ちる?スピードがすごいし、いままでには感じたことのなかった「お金を落とす」ことへの喜びが半端ない。恐ろしい男である。


 


私の席はバックステージほぼ正面の中段で、良い席とは言えないものの、それでもその距離から見た伊野尾くんはドームで見たときよりもはるかに近く、大きく見えて、今までをテレビ画面を介して、印刷物として、双眼鏡のレンズ越しに、といったフィルターを通して見ていた伊野尾くんが、急に人間としての存在感を持って目の前に立ち現れてきたので、私は、伊野尾くんがひとりの人間として存在し、動いているというその事実にまず唖然としてしまった。


 


コンサートは、とにかく踊る。すんげー踊る。え?まだ踊る?というくらいに踊る。さすがは全員20代前半のグループ、という若さの持つ力を思う存分に見せつけてくる。気持ちがいい。踊れるということを、9人という大人数で魅せる揃ったダンスを自分たちの売りにしていきたいのだという強い意志をびんびん感じる。平成生まれの一見ふわふわわちゃわちゃした可愛い子たちの中にある意固地なくらいに泥臭くて尖った譲れない心意気に泣く。息をきれぎれにしながらそれでも生歌を響かせる山田涼介の刹那的な美しさたるや!!!!!知念ちゃんは最初から最後まで涼しい顔してテンションがあがるとぴょんぴょん跳ねてキレッキレの踊りを踊っていたので、この子ほんとすごいな…と再認。グループ内で絶対的にフィジカルの弱い伊野尾くんはいったい大丈夫なのかと何度も心配になるのだけど、辛そうに汗をかきながら踊る伊野尾くんは、それはそれはエロくて必死。必ず死ぬという意味で私が必死。


 


セトリ全部をレポする能力もないし、上記のような状況であとからレポを読んでも「そんなことあったんだ!」ということもあったりして、お前は会場で意識を失っていたんじゃないか疑惑が浮上するありさまなので、とりいそぎ特筆すべきことだけを書かせていただきたいが、なによりもまず中盤にSchool Girlがかかったときの爆発的な会場の盛り上がり。JUMPがスクガという楽曲を手に入れたことを神様に感謝せずにはいられない!!!神様サンキュ―――――――!!!!!会場も盛り上がるし、JUMPちゃんたちも盛り上がる。JUMPちゃんたちが盛り上がっているのを見て、会場がまた盛り上がる、という盛り上がりの相乗効果。こんな幸せな方程式ってあるか。ちなみにMCで山田くんが「スクガで盛り上がりすぎるのほんと注意。そのあとのウィークエンダーまじきつい」って言ってました。でも盛り上がっちゃうJUMP可愛い。伊野尾くんが端っこゆえに先頭になって腕をびっしびっしとうごかしてにこにこ笑ってる姿を近くで拝めて3回くらい天に召されかけた。あぶない。



それから曲を聴いた段階から薄々感づいてはいたものの3ユニット曲という取組みの良さが筆舌に尽くしがたい。尽くしがたいとかいってぐだぐだ書くのだけど。まずユニットの別れ方からして、やっぱりパワーバランスとかいろいろ考えるのだろうかみたいな邪知をよそに、「ぐっちょっぱー」とかいう宇宙一平和でかわいい方法で分かれた3組のユニットがそれぞれの趣向をこらしてパフォーマンスをするって!!!しかも、そのどれもが本当に神がかってすばらしい!!!ここは涅槃か!!!涅槃のショータイムか!?!?


山田くんがいつもは担当しないひかにゃんにセリフを言わせるんだという試みをさせたことも大正解だし、「怪盗」とか「エロ」とかいうワードに忠実に世界観を作ってくるところになんとなく真面目さを感じて微笑ましいし、結果としてでてきたあのエロさは会場中を阿鼻叫喚に陥れたし、ていうか高木くんエロすぎるし。別に全くそうゆう設定ではないのに、なんとなくユニット対抗勝負!みたいな捉え方をして、負けたくないって言っている知念くんの負けず嫌いさは愛おしさの塊だし、真面目な人たちがそろっちゃってやばいネタで負けちゃう!パフォーマンスでがんばろ!って言って、実際ダンスの精度とかすごい上げてきてキレキレのダンスを踊る知念ちゃんチーム可愛い。


そして、それぞれ個々のファンの人数の単純な総和でいったら正直なところきっと少ないであろう愛追I隊が奇跡的な化学反応によって「Oh!アイドル」という怪物曲を生み出したことはジャニーズの歴史にも大きく残るくらいの事件だと思う。新たな伝説が生まれたと確信した。


会場に入る前、グッズ列に並んでいるときから、後ろに並んでいるギャルも、前に並んでいる家族連れの4歳くらいの女の子も、みんなが「Oh!アイドル」を口ずさんでいて、「えっ!」てなった。「えっシングル曲だっけ?」「えっ定番曲だっけ?」「えっむしろ日本を代表する名曲だった?」くらいの。「Oh!アイドル」が巻き起こした会場中の一体感は、無条件に気持ちがよく、純粋に「楽しい」という感情でつつまれたそれはそれは幸せな時間だった。嗚呼いますぐ会場に行ってオカモトケイト!!と力の限り叫びたいという衝動が、キーボードをたたいている今もこみあげてきて収まらない。


黄色の鉢巻に黄色のトレーナーに短パンを履いた伊野尾くんは、笑ってしまうくらい面白いんだけど、実際笑ってる暇などないくらい全ての瞬間において可愛くて、本当にアイドルだった。私は伊野尾くんのコケティッシュで甘ったるいあの声が好きだ。短パンからぴょいと出た小枝のような細い足、そこからのぞいている白くて小さな膝小僧。伊野尾くんと膝小僧!そんなの文字にして並べてみたって素晴らしい。


曲中にある「君が太陽なら…僕は洗濯物」という我らが天才有岡大貴(23)による才能が溢れすぎるあの台詞のとき、伊野尾くんはにこにこした笑顔のまましゃがんで、ゆっくりと手をついて、ごろんと転がった。そしてそのままその細くて長い手足を投げ出して、びろんと大の字になった。伊野尾くんのでんぐりがえりは、全ての動きがのそりとしていて、大層可愛かった。また空気が止まった。あとから、他の回ではへろへろの側転を披露したと聞いた。


smartコン全体としては私が想像していたのとは少し違っていて、そうゆう面での戸惑いが正直少しあった。でも、JUMPコン自体2回目の私にとっては、どんな曲中 でももう聞き飽きたよ、みたいなこともなかったし、JUMPちゃんたちもきっとそうゆう層のことを意識してのことだったのだと思うし、実際にJUMPのコンサートという土台を崩さずにここまで新曲を盛り込んできたセトリは、なんというかすごく贅沢な盛り合わせのようだった。ただ、パンフを読んでいると「全員が20代を迎えた今、かっこいいJUMPを見せていきたいけれど、かわいいJUMPというのがJUMPの強みだし、やっぱりそこで盛り上がるお客さんもいるし」というようなことを結構みんな口々に言っていて、それはなんだかJUMPという枠組みのなかに自分たちを押し込んでしまっているようにも聞こえ、もしそうだったら全然そんな心配せずに、ただやりたいことを好きにやってくれていいんだよと、背中を押してあげたい歯痒さが無きにしもあらず。私は、自分たちが楽しいと思うことをやって勝手にもりあがっているアイドルを眺めるのが好きだ。むしろ置いてけぼりになるくらいでいいと思っている。


とかなんとか言ったが、2回目のJUMPコン、全力で楽しんだ。一人参加で恥ずかしいという気持ちは不思議なくらい消えて、今考えるとよく一人であんなに騒いだなと思うし、周りのひとからは痛いやつだと思われていたのかもしれない。まあいいか。楽しかったし。初めに勇気を出して隣の人に話しかけて、「伊野尾担です。一人ですが騒いだらすみません。」と事前申告し、隣の人たちが「全然いいよ!私たちも騒ぐよ!」と言ってくれたのをいいことに、「伊野尾くん可愛い!可愛いよー!!」と腰ぬかして寄り掛かったのはちょっと反省している。隣に座ったお姉さまがたは終わってから楽しかったですね!と言ってくれた。優しい。


会場を出ると、大阪城がライトアップされていて綺麗だった。雨はあがっていて、湿り気を帯びた、夏の暑い空気が立ち込めていた。